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会長の独り言

会長の独り言

中学生のおねしょ

 B子は、小さいころにお母さんが亡くなり、
まもなくお父さんが再婚して、新しいお母さんがやってきました。


そして、その新しいお母さんは、B子にイジワルをしてくるようになったのです。


そのお母さんは、
B子が話しかけても聞こえないふりをしたり、B子のおやつを横取りして食べたり、
B子に向かって「あなたなんか可愛くない」と言ってきたり・・・



   そんな生活が続き、B子は中学生になりました。




あいかわらず、お母さんからのイジワルは続いたそうです。

そしてB子には、悩みが一つありました。
それは、中学生になっても、おねしょが治らないことです。



ある日、B子の友だちが家に遊びに来ました。

すると、友だちに向かってお母さんが、こう言ったのです。

「B子ったら、中学生にもなって、おねしょをするんですよ。」



B子は、顔から火が出るほど恥ずかしい思いをしました。


B子は心の中で叫びました。

「あの継母(ままはは)のせいで、私の人生はメチャクチャだ。

  本当のお母さん、どうして死んでしまったの?」



ところが、

その後B子は、何冊かの本を読み、考え方が変わり始めました。


自分のことを“被害者”だと思い込んでいることに気づいたのです。



「私はいつも、『あの継母のせいで、自分の人生はメチャクチャだ』と
 心の中でつぶやくばかりで、継母との関係をよくするための行動を何もしていなかった!」


   そう思ったのです。



読んだ本の中に、次のような言葉が書いてあったそうです。


「よい人間関係を築くには、感謝の言葉を伝えよう。
 相手からの見返りをいっさい期待せず、ひたすら感謝を行動で表そう」


そこで、継母に感謝できることを探したら、たくさん出てきたそうです。



・毎日、ご飯を作ってくれている
・おねしょした布団を干していてくれる
・病気になったときは、病院に付き添って行ってくれた・・・などなど



「私は、継母のイジワルなところばかりに固執していたけど、
 私がここまで育ってこれたのは、継母のおかげだ。
 私は、継母が家に来たころから、亡くなった母親と比べて、継母の悪い点ばかり数えていた。
 私こそ、最初から継母を『お母さん』として認めていなかった。
 よし、まずは感謝の気持ちを表そう!」



    B子は、そう決意しました。




仕事の関係でお父さんの帰りが遅いので、
夕食はいつも、お母さんと二人きりで食べていました。


その日の夕食を終えると、

「お母さん、おいしいご飯をありがとう。いつもありがとう。」

   と言って、母親の背に回りました。



肩こり症のお母さんの肩をもんであげようとしたのです。




するとお母さんが、

「何するの、気持ち悪い。あなたに触られたら、よけい肩がこるよ。」

  と言って、B子の手を振り払ったのです。



B子は、次の日も夕食後に、
「お母さん、ありがとう。」と言って肩をももうとしました。


すると今度は、お母さんの肘でっぽうが飛んできました。



B子は、3日目も夕食後に
「いつもありがとう」と言って、お母さんの背に回りました。



「何の魂胆があるの?気持ち悪いからやめなさい」と、

  やはり肘でっぽうが飛んでました。



B子は4日目も、5日目も、6日目も続けました。

  毎回、肘でっぽうで拒否されました。




「相手からの見返りを期待せず、ひたすら感謝を行動で表そう」

という言葉が、B子の支えでした。



そして7日目。

いつものように夕食後、「お母さん、いつもありがとう」と言って
お母さんの背に回ったら、その日はお母さんがじっとしていました。




そこで心を込めて肩をもんでいたら、


しばらくして、


お母さんの肩が小きざみに震え始めたのです。



どうしたんだろう?と思って、


お母さんの顔をのぞきこんでみたら、


お母さんの目から大粒の涙がポタポタと落ち始めました。



まもなくお母さんは「ウワーッ」と泣きながらB子に向かって、こう言ったのです。



「ごめんなさい!お母さんが悪かった!ほんとにごめんなさい!」



お母さんは、しばらく泣き続けた後、

B子のことをギュッと抱きしめてくれたそうです。



その日から、お母さんはイジワルをしなくなりました。


優しいお母さんに変わったのです。


そしてその日から、


    B子がおねしょをすることもなくなりました。




次は、足跡



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